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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*君の背中*



 君の背中は大きくって
   
   暖かくって

 気持ちいいから

    大スキなんだ。


 *君の背中*


 「始業式から遅刻なんて
     有り得ないって~っっ」


 君との出会いはちょうど一年前。

 中学3年の春だった。



 朝寝坊で遅刻ギリギリな私は

 徒歩15分程の学校まで猛ダッシュ。

 ほぼ半泣き状態の私に

 声をかけてくれたのが君だった。



 「そんなんだったら遅刻っしょ?
   ほれ、乗れよ」



 「え・・?」
 

 
 目の前で止まった一台の自転車。

 彼はちょいちょいって

 私を手招きして

 後ろの荷台を指差した。


 見たことないけど

 制服と校章の色で

 同じ学校、同じ学年だってことは

 なんとかわかった。



 最初はびっくりして断ったんだけど

 君は無理矢理私を

 後ろにのっけたっけ。



 おかげ遅刻しなくってすんだんだけどさ。



 二人でクラス発表見て


 「私、4組だ・・・」


 「偶然、オレも4組だわ」


 二人顔を見合わせて笑ったっけ。


 「「これから一年間よろしくね」」

 
 その場で軽く挨拶して

 教室に入ったら

 君と私は隣同士の席でさ。


 また

 顔を見合わせて笑った。


 「もしかして運命?」

 
 なんてこと言いながら。




 いつも一緒だった。




 「何?お前今日も遅刻かよ」

 あの日みたいに

 私が猛ダッシュしてると

 君はいつも後ろから

 自転車でやってくる。


 「しゃぁねぇ~なぁ。ほんっと」

 
 君は優しいから

 そうやって笑って

 また私を後ろにのっけてくれるんだ。



 知ってた?

 私が遅刻ギリギリに猛ダッシュする理由。


 目覚まし時計が壊れてるとか

 寝坊だとか

 髪型が決まんないとか

 そんなんじゃなくて


 こうやって走ってたら

 君が現れて

 のっけてってくれるでしょ?



 私ね

 二人乗りって好きなんだ。

 カーブのたびに

 大袈裟に君に抱きついたりしてさ。


 君の背中は大きくて

 ぎゅって抱きつくと

 すっごくあったかいんだもん。


 ねぇ・・・

 私、いつまでも

 君とこうしていたいんだ。





 「今日で最後だね」


 「その最後の日もお前
   オレの後ろに乗ってんのな」


 卒業式。

 私は君の後ろに乗ってた。


 「一年間、ありがとね」


 「ほんとにねぇ」


 「楽しかったよ」


 「・・・オレも」


 私の気の所為かなぁ?


 いつもよりゆっくりとしたペースで

 自転車をこぐ君。



 カーブでもないのに

 私は君に抱きついた。


 

 「卒業したくなんかないんだけどなぁ・・・」



 「なんで?」



 「だってこうやって
   君の後ろにのっけてもらえないじゃん」


 
 私は真剣だったのに

 君は笑い飛ばしてくれたっけ。


 「ばぁ~か(笑)」






 結局ね

 最後の最後まで

 君に気持ちを伝えられなかった

 弱虫な私。



 何度も泣いて

 何度も後悔したんだ。




 そしてまた

 君と出逢った春が来た。



 
 あの時とは違う

 制服がぎこちなくって

 はき慣れないローファー。

 


 そういえばアイツ

 高校どこに進学したんだろう。

 って

 そんなこと考えながら

 あの時見上げた

 空を見てた。


  
 

 「前見て歩かないと
    電柱にでもぶつかる気?」


 聞き覚えのある声に

 足が止まる。


 おそるおそる振り返ったそこには

 あの時出逢ったのと同じ

 君がいた。


 「なん・・・で・・・?」

 
 
 「知らなかった?
   オレね、お前の高校の隣の
  男子校なんだよね」


 そういって見せる君の笑顔は

 あの時と同じで

 なんだか胸の奥が

 きゅんとしたんだ。



 「なんかこぅ・・・後ろ軽くって」


 少し照れ臭そうに

 自転車の後ろを指差して

 笑う君。




 
 君の背中

 好きだな。

 大きくて

 ぎゅってすると暖かいの。

 でね、そのたびに私

 ドキドキするんだ。



 「ねぇ?」


 「ん?」


 「私ね、君が好きなの」


 そういって

 君の背中に抱きついた。

 
 くすっと笑って君は言う。


 「背中の方からすっげぇ
    早い鼓動伝わってくんですけど」


 口ではそんな意地悪だけど

 君の耳はまっかっか。


 「君は?」


 恐る恐るの私の問い掛けに

 タイミングよく

 赤信号でとまった自転車。


 「好きだよ」


 そういって振り向いた君の笑顔は

 今まで見たことないような

 優しい優しい

 笑顔だったんだ。








自転車の二人乗りってスキ。
すっごい憧れ。

制服で
スキな人の自転車の後ろに乗るのが憧れで
でもまぁ・・・実現することもなく?(笑)

背中ってスキ。
後ろ姿のステキな人に悪い人はいないって
信じてます!!

おもわずぎゅって抱き締めたくなるような
背中の持主がいいなぁ。。。
背中って広いから
いっぱい温もり伝わってくるやん?




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bbs

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